*登場人物*
手迎深鈴……主人公。とある運命を手に握る少女。
*運命のオルドカルタ プロローグ*
私、手迎 深鈴には、運命がある。
占術師に言い渡された、運命。
それを変えるには、18になる年の誕生日までに、恋をせねばならなかった。
恋をして、結ばれなければならない。
そして心から想い合うその人と、とある儀式をせねばならない。
____オルドカルタの、名の下に。
17の冬、両親が魔物に襲われ、息を引き取った。
私を守る者が居なくなったため、お偉方は早急に、私に護衛をつけた。
と、同時に、婚約候補者という名の婿候補を、束にして連れてきた。
私は、18の誕生日までに、恋をしなければならない。
それなのに私はまだ、恋を知らないから。
私の運命は、国の存続に関わるもの。
貴族の娘である前に、一国の将来を左右する爆弾なのだ。
「はぁ……」
ここ数日、護衛と言って側にいた人達が、屋敷の中で生活している。
「ちょっと前までは、ネグリジェで廊下を歩けたのに……」
貴族の娘としてそれはどうかとも思うが、実際両親はそう言ったことに寛大で、基本何しても許されていた。
「やめてくださいよ、こっちの心臓に悪い」
「東谷さん……?」
後ろから声がして振り返る。
「まったく、これじゃあお嬢様を何から守ったらいいのか判りませんよ」
「悪魔と敵対組織以外にいたかしら……?」
そう、護衛は、私が悪魔の手に渡らないように、と、この国の方針に反対している組織から守るようにといわれて私についている。
他に何かいたっけ?
「いるよねぇ。例えばこの己(オレ)……とかね」
「鞠守さんっ」
私の元の進行方向から彼の声。
「こら、そこの歩く性欲っ!!!彼女に近づくな!」
「なになに〜??超楽しそう〜」
「ったくうるせぇな……少しは静かに出来ねぇのかよ……」
この5人の方々、性格は凄く個性的だけど、とても腕の立つ護衛。
発言した順番に言うと、東谷 灘、鞠守 朔夜、石橋 誠、湯町 かなで、吉野 順次だった。
「おいっ、大丈夫かっ!?歩く性欲に毒されたりは……」
「自分がいるのでそんなことはさせませんよ!!神に誓っても!!」
……こんなに騒がしくても、一応、腕は立つはず。
「お嬢様、今日からは外出が許可されますが、護衛は必ず一人は連れていってくださいね」
「あ、ええ、わかっているわ」
外出許可が上から降りているのも、彼らが優秀だから。
「早速出かけるのはどうだ?街は今、フェスタの準備で賑わっているしな」
「そうね、そうしようかしら」
誰と一緒に行こうかな……?
運命のオルドカルタ
更新をお楽しみにー。
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