黒点のタネを太陽の磁極で発見
2010-03-10(水)
全体公開
太陽が活発になると姿を現す黒いしみ「黒点」は太陽の南極・北極にある磁極で作られ、太陽の対流によって赤道付近まで流されもまれて黒点としてにゅっと出てくるという考えだったです。しかし、今までの観測では磁極の磁力は数ガウス程度意しかなく、黒点を発生させる為の10万ガウスを確保するには容量不足という黒点発生のメカニズムの矛盾が指摘されてきたです。
このたび日本の太陽観測衛星「ひので」を用いて日米欧の研究チームが太陽の磁極について調査したところ、磁極には1000ガウス程度の磁力の密集領域(強磁場斑点)を見つけることができたです。これまでの観測衛星の数十倍の解像度を誇る為、のっぺりした像しか捉えることができなかった極部分の画像を解析することができたです。
この黒点のタネとなる強磁場斑点は、大きさは黒点の10分の1、寿命も10時間程度(黒点は数日〜数ヶ月)と短命。しかし磁力が十分であるため、太陽内部で揉まれて黒点が作成できる10万ガウス規模まで増幅できるとわかったそうです。
ちなみに黒点表面の磁力密度は磁極の強磁場斑点と同じ1000ガウス程度です。
「ハゲじゃない」と言ってるけど、写真を見てもハゲにしか見えなかったが、高画質のカメラで見てみたらうっすら毛が生えていたよ!みたいなものです。
この磁極の斑点の数を見積もると、ある程度先の黒点の発生状況も予測できるそうです。
ちなみに現在の太陽は極小期という黒点が少ない時期。本当はこれから活発になるはずなのだが、このさき1〜2年程度は落ち着いた状況が続くそうです。太陽にとってみれば瞬きが少し遅れた程度未満の話でしょうけど。
本日の太陽の状況。真ん中にぽつんとある黒いのが黒点。
http://sohowww.nascom.nasa.gov/sunspots/(⊙∀⊙)b ちなみに、地球の磁極は0.2〜0.3ガウスだヨ。
1000ガウスは医療器具でちょくちょく見かけるです。1万ガウスはCTスキャンあたり。
ひのでの研究成果のページ
http://hinode.nao.ac.jp/news/100309PressRelease/