無題
2014-08-14(木)
全体公開
来る焼き肉パーティに向けて髪を切り整えようと思う。
お友達からも髪長すぎってバカにされるしそろそろやばいからな
あの子が珍しく広場の掃除をやめ神主さんへと近づいていく。
神主さんの前に来ると巫女ちゃんは可愛らしい尻尾をそわそわさせながらおもむろにこう言った
「あのぅ・・・・おトイレ行っていいですか・・・」
巫女ちゃんと神主さんの緊張の差が、遠目で見ている僕にも伝わってきてどことなくおもしろい印象を受けた
もちろんこの気持ちは神主さんも同じだったようだ
目線が同じ高さに来るようしゃがみこむと神主さんは巫女ちゃんの頭に手をぽんと置きこう言い放つ
「はっはっは、いいんだよ好きに行ってらっしゃい」
何かの紐が解けたかのように巫女ちゃんは短い足で必死に厠の方へかけていった。
僕はそんな光景を見てよからぬ事を思い出してしまった。
(そういえば・・・この神社の厠は割りとオープンな外装だったな・・・)
好きという感情は時として歪んだ方向へと思考を働かせる。
「うっ・・だめだ・・・覗きはだめ・・・だめだめ・・・」
必死に自我を取り戻そうとしてる中巫女ちゃんはどんどん厠の方へと進んでいく
好奇心と後悔が頭の中をぐるぐると駆けずり回る
なんとか、覗きはせずに済んだ
僕はいつにもまして覇気のない雰囲気で神社を後にした