rainy song #3


母が男から肩代わりした借金を返すため、私は借金取りから紹介されたガールズバーで働き始めて1カ月。

母は入学式の前の夜から1度も帰ってこない。

やっぱり私に借金を任せて、どこかでウロウロしているのだろう。

ガールズバーでの仕事の時間はまちまちだが、大体21時ごろから翌日の2時ごろくらいまでが平均的だ。

それにしても、このお店はやっぱり法律違反としか思えない。

「ね、みゅーちゃんお酒一緒に飲もーよ!」

みゅーとは、私がお店で働く上でのニックネーム。

今日来た客だけでなく、毎日何人もの客に酒を勧められた。

キャバクラのような指名制を導入しているこの店では、どれだけ客に楽しんでもらえて、常連になってもらうかが勝負なので、オーナーは酒を飲むように強く勧めたが、私は酒だけは絶対に飲まないことにしている。

「ごめんなさい...」

私が目を伏せて謝ると、客はつまらなさそうに私をしっしっと追い払って、別の子を指名した。

その子は私と同じ未成年でありながら、少しも躊躇う素振りを見せずにワインを口にする。


その様子を見ていると、他の客に指名され、私は急いで客の元へ走った。

営業スマイルを浮かべて、応対をする。


毎日毎日、勉強に、仕事に、私の心と身体はもう限界寸前まで追いやられていた。



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