「一人だよ。」

そう言っていっつも泣いている。

僕たち、双子でしょ?

君は一人じゃないよ。

今日も君だけをおいて、僕たちは明るい世界へ出かけてく。

何でかな?お母さんとお父さん、君を連れて行こうとしない。

それなら僕もいかない。

いつもそういうけれど、お母さんたちは聞く耳を持たないんだ。

今日もまた、君は一人になった。

この位、どうってことない。いつものことだ、って笑ってる君の顔は、

ひどく虚ろで、悲しそうだった。

双子って、残酷だ。

上か下かで運命が決まる。

どっちが下にいたかで運命の道が出来上がる。

ねえ、でも、君は一人じゃないよ。
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