「暑い・・・・。」
そういいながらも、なぜか冬物の制服を着ている俺――柏崎 零はパタパタと制服をあおった。
時、6月16日。梅雨の真っ只中だっていうのになんていう暑さなんだ・・・。
「馬鹿ねえ。このクソ暑い中で長袖なんか着ているからそういうことになるのよ。ほら!早く倒れて死になさいよ。」
「馬鹿は所詮馬鹿だな。この、バカヤロウ。」
そういって俺を馬鹿にするのは、2年4組の女王 鶴崎 杏奈とガリ勉の 竹内 裕也だ。
二人とも性格は全くといっていいほど人に好かれるものではないのに、顔だけは人に好かれるっていう・・・、まあ得なやつらだ。
「あのう・・・。こんな私が言っていいのか分かりませんけど、馬鹿って言うのはよくないと思います・・・。ああっ、すみません悪気があるわけじゃなくて・・・その・・・。」
ぼそぼそ言う割には一番台詞が多かった彼女は、姫百合 恵麻。
簡単に言えば俺ら4人は幼馴染であり、一番の親友なのだ。
「は~・・・今日も疲れた!暑いし。」
「ほう。そんなに暑いか。いいだろう。背筋が凍るような怖い話をしてやろう。」
裕也は眼鏡のブリッチを軽く押し上げていった。
「おっ。また始まった。「裕也の作り話ショー」意外に面白いぞ。」
俺が裕也を調子にのせると裕也は得意げに話し始めた。
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