これは、この街に伝わる都市伝説みたいなもの。
この街には昔、有名な小説家が住んでいた。彼の名は・・・   。
彼は、大ヒット作を次々と生み出し、たくさんの儲けを得た。その儲けの欲望で彼はギャンブルにはまった。
彼のお金がもったのはわずか5日間・・・。彼はもっと金が欲しいと、借金をしてしまった。
それから10年やっとギャンブルの誘惑から抜け出した時には彼には何も残っていなかった・・・。
家も、財産も、家族も、そして、大ヒット作を次々と生み出した才能までもが彼には無くなっていた。
彼は、夢中になって書きだした。今までの穴埋めをするように・・・。その1作に魂をこめて。
そして、最低な本ができてしまった。その名は「欲望の晩餐」。人間の欲望を、自分の欲望を、ただただつづっただけの本。
彼の消息はそれ以来不明となった。
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