荒野にて
誰かが俺に、銃を向けている。
その重厚な黒が、鈍に輝いてこちらを捉えて離さない。
「何故だ。」
俺は問うた。
「何故かも分からないのか。」
相手は答えた。
目の前に居るのは、不快な顔の男。
握りしめた狂気。
「分からない。」
俺は丸腰だった。
武器は無い。
「お前は道を誤った。」
相手が答えた。
「だから俺は、お前を殺す。」
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荒野にて
やめる