僕たちはもう1つの世界で生きていた Ⅳ


「テスト、終わったー」

俺から見て斜め前方の席の健が大声をあげる。

健の前の席の奴は驚きのあまり後を向いたまま口が開きっぱなしだ・・・・・・。

「関口さん、静かにしてください」

テスト担当の教師が注意する。


挨拶とかSHRとか済ませて完全に放課後になった。

「なぁ、ゲーセン行こうぜ!」

健が俺の席の前まで来て話す。

「すまん、もう1回言ってくれ」

「なぁ、ゲーセン行こうぜ!」

「やっぱりそう言っていたか・・・・・・。健、先生に呼び出されていなかった?」

健はしばらく思い出すような動作をしてから言う。

「気にしない、気にしない」

「まったく、いいけど、暇だからゲーセン」

俺は机の横に置いていた鞄に手をかけた。

「そうこなくっちゃ」

テスト終わると何でテンション高いんだろうね、健は。

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