愛を、ください。2-2
愛、が、欲しかった。
どうしようもなく、欲しかったんだ。
前世紀の文献。
愛にあふれた小説。
愛に狂った詩。
愛、愛、愛。
それがあれば、きっと俺だって幸せになれるんだ。
そう信じているんだ。
(『・・・ムリ、お前、兄ちゃんのこと、・・・・好きだよな』
『・・・・・え?』
『愛のために、死んでくれるよな?』
『・・・・愛?』
『・・・俺、シンチュウ イッカは・・・
シンチュウ ムリを永遠に守り、愛することを誓う』
赤い、愛。
流れ出るのは、愛?
・・・ちがう、これは。
ただの、・・・血液。)
2100年、6月4日。
登録名「シンチュウ ムリ」
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