「ヤヒトちゃん、シサツ。俺と一緒に行こう。」
そう提案したのは、ただの思いつきだった。
俺が行きたい場所にヤヒトちゃんがいけないことは十分承知の上。
シサツも、ほら。
飽きれた顔で俺を見ている。
あきれられてしまった。
俺の幼馴染。
かわいいかわいい、幼馴染。
黒い髪、黒い瞳。
凛と澄んだ、黒曜石の瞳。
青色の俺とは、全然違う。

同じ色が、よかった。
なぜ両親は俺を、あの色に産んでくれなかったのだろう?
とても、綺麗なのに。

なのにシサツは、俺のことをうらやましいという。
向こうのほうがうらやましい。
所詮人間なんて、自分にないものに惹かれるのだから当然なのだろうけれど。

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愛を、ください。2-2 s.1
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