昨日、その木がすでに偽モノだったことを知った。
6年前から。

それより前までは、ちゃんと本物だったらしい。

でも、私はいままで、その木のぬくもりを感じていたのだ。
その木の愛を感じていたのだ。

つまり私は、・・・・その木を知ったような気になっていただけだった。
愛なんてなかった。
ぬくもりなんてあるはずがなかった。
それは、ただの自己満足だった。



2111年、8月8日。
私は16歳。
登録名は、「ミスイ シサツ」

次へ

愛を、ください。2 s.1
やめる