「愛って、なんだと思う?」
「・・・はぁ?」
唐突に声をかけられた。
場所は023番シンジュク。
ビルの立ち並ぶ、理想都市のクローン23号。
私の、ミスイシサツの後ろにいたのは、若い男だった。
金髪碧眼。
さらさらヘアー。
ずるい。
私には何もないものを、彼は全て持っている
この男は、シンチュウ ムリは、・・・本当にずるい。
「なにをまた突然に。」
「俺は愛を探している。」
「あぁ、そう。」
「・・・シサツにはないな、多分。」
「そんなこと、」
ない、といいかける。
でも、答えられなかった。
わからなかった。
「あ、ほら信号。」
「え、あ、あぁ・・・。」
交差点のど真ん中だった。
なんというところでムリは話しかけてきたんだ。
まったく。

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愛を、ください。2 s.2
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