2016-07-11(月)
全体公開
少年はまるで狂ったように生い茂った生温い 森林を走り駆ける
突然 足を地面に這われた木の根っこに取られてしまう 悲しいくもあり悔しくもあった 膝から血が出ても 少年は走り続けた
*
狼とは気高い狩りの猛者だ とても無慈悲で残酷だ その鋭い眼を光らせれば羊はぺろりと食べられてしまう
そして ここに人間に憧れを持つ狼が居た 彼は名前などない
彼は狼の中でもとても優秀だった 獲物が逃げることなどなく 飢えに苦しむ必要などなかった
微かに赤色に近い漆黒の体毛は 彼の戦歴を高く高く表すようだった
そんな彼は人間に出会う 人間の怯えた瞳は狼を捉えず ただの化け物を見る様だった
2016-07-05(火)
全体公開
続編もない哲学的な短編小説です
星乃さんは私をモデルにした天才学生設定です そういったものが苦手な方は退散願います
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1、自殺志願者
皆さんは星形と言えば何を思い浮かべますか
海と宇宙 中には黄色と答える人も居るのではないでしょうか?
私 星乃架華流【ホシノ カケル】は世間では話題のイラスト制作を主に町で歩いてます
様々な場所から制作を依頼されるので色々苦労が絶えませんが...
2016-07-01(金)
全体公開
_これは遠い遠い過去の記憶
朝 目が覚めて起き上がるシーンから始まる
すぐに私は洗面台に向かう 長い長い廊下を抜けて まだ日の出も微かに登って来た頃なのだろうか
肌寒いのがしっかりと感覚に残っている 洗面台の鏡に私は向き合う
私の右目からは大量の血らしきものが浮かび上がっている とても痛々しい
右目を開ければ目が黒く 瞳が真っ赤に染まっていた 私は気にも止めずに髪の毛を束ねて顔を洗う
この記憶は何なのだろうか とても懐かしいのに別の懐かしさを感じる 他人の思い出話を聞いて頷いて 適当に話しかける感覚に近い
あるシーンでは黒髪の美少年や とても美しいブロンドの女の子 そして 銀髪の眼帯がいる