空を見ると、まだ雪が降っていて、町の色々なところにクリスマスの装飾が飾られていた。そんな、夜なのに美しく煌く光景を目にしながら、ルークは一人ケテルブルクの中央広場に佇んでいた。
息を吐くたびに目の前を白い霧のようなものが視界を遮り、いつもの薄着(しかもヘソ出し)の上に、寒いからと厚手のコートを身に纏い、マフラーなども装着していたが、それでも身をガタガタと震わせる寒さにルークは目を細める。

ルーク「ティア、遅いな……」

そう、実は今は何故かティアにここに来てと呼び出されて、ここにいる。
ティアは確かに自らより先に宿を出たはずなのだが、何故かルークの方が先についてしまい、仕方なくも彼女を待って、暫く寒空の下こうしているのだった。
ミュウは早めに寝かしつけ宿屋に置いて来たので、邪魔者はいないものの、ちょっとこの静寂は寂しい。
町のほうから光がぴかぴかと光るたびに歓喜のようなものが途切れ途切れに聴こえて来る気がした。ついには目を瞑りながら、ルークはコートの襟元に顔を埋め始めた。

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