ガンダム00オリジナル物語<フェルト>
ーー ロックオンが居なくなって、あの日から、私の前は真っ暗だった。
初めて誰かを好きだと感じられた。
そして、誰かを好きになることが、こんなにも素敵なことだと、初めて知った。
だから、あの日彼が居なくなって、戦争なんて無ければいいのにって、何度も何度も思った。
それまで以上に、戦争が嫌いになった。戦うことで、簡単に何かを失わなくちゃいけないなんて、、、苦しすぎる。
どうして、戦う必要があるの?
どうして、勝手に始めた戦いで、大切な人を失わなくちゃいけないの?
どうして、ロックオンは・・・・・・・・
初めて彼と出会った日、彼はなんだか大人っぽく見えた。
彼の近くにいるうちに、彼の良いところとか、優しいところとか、
それまでは知らなかったところを、沢山知っていくうちに、いつの間にか
私は、彼の虜になっていた。
彼の優しさは、何もかもを包んでくれるようで、私の心まで、癒してくれた。
彼が亡くなって、3年。
ある日突然のことで、ビックリした。
私は、相変わらずCB(ソレスタルビーイング)で、あのころと同じように働いていた。
あの頃と違うことといえば、私の周りにいる人たちが、みんな、いなくなったこと。
3年前の戦いで、クリス(クリスティナ・シエラ)と、リヒティが、犠牲になった。ロックオンや、刹那(刹那・F・セイエイ)、アレルヤ(アレルヤ・ハプティズム)も、
ティエリア(ティエリア・アーデ)も、帰ってこなかった。スメラギさん(スメラギ・李・ノリエガ)は、あの戦いをきっかけに、CBを離れた。
結局、CBに残ったトレミーのクルーは、私とイアン(イアン・ヴァスティ)とラッセ(ラッセ・アイオン)だけだった。
少しして、ティエリアが、戻ってきたときには、驚きとうれしさがあった。
けれど、その半面で、ロックオンが帰ってこないことを実感して、心が苦しくなった。
そして、あの日はやってきた。
刹那が戻ってきて、少しした頃、CBを再建するため、精力的に動き出した。
久々に忙しくしていたとき。
私の目の前に現れたのは
ロックオンだった。
驚くとか、そーゆー事以前に、もう、何が何だか分かんなくて、
裏切られたようだった。
あの日の絶望は、一体、何のためにあったんだろう。
私の感じた苦しみは、何の為にあったんだろう。