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60 : 【タイトル】 新世界より 【自分なりの副題】 ディストピの少年少女 【ストーリー】 1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に付けていた。 そんな日本のかつて茨城と呼ばれていた土地に、人口3000人ほどの自然豊かな集落、神栖66町はあった。 神栖66町では人々は神の如き力を持ちながら、静かに平和で穏やかな生活を送っていた。 そんな神栖66町で友達と元気に遊び回る渡辺早季は、町の平穏な空気の中に不穏な違和感を覚え始めるのだった。 【アピールポイント】 ディストピア物のSFです。 作家の貴志祐介さんの10数年にわたる構想を経て書かれた同名小説が原作。 まあ、とにかく世界観と設定に惹かれます。 1000年後の日本では現代文明は完全に滅んでおり、人々は長閑かつ閉鎖的な集落で生活をしています。が、実は人々は水面下で徹底的に管理された生活を送っています。 主人公の早季の視点で送られる12歳編、14歳編、26歳編の3部構成を通して次第に現社会の異常性に触れていくんですけど、その構成がまあ見事。加速度的に物語が進み、その中の全ての伏線をあますことなく回収していく様は、ただ見事。 細かい事ですけど、作中に登場する用語のゴロがすごい良い。 「神栖66」を初めとして、「橋本アッペルバウム症候群」、「ラーマンクロギウス症候群」………この作品を見たのは三年ほど前ですけど未だに空で言えます。 ちょっとキャラデザは人を選ぶかもしれないし、マイナーでもあるんですけど、そのストーリーは本当に作り込まれてて一見の価値はあると思います。 |
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