俺とアヤノと赤いマフラー

「なぁアヤノ、どうしてお前はいつもマフラーをしてるんだ?」
小学生の俺が、まだ幼い声でたずねた。
「シンタローと私が、中学生になったら教えてあげる」
小学生のアヤノが、まだ幼い声で答えた。

「なぁアヤノ、どうしてお前はいつもマフラーをしてるんだ?中学生になったんだから、教えろよ」
中学生の俺が、少し大人びた声でたずねた。
「シンタローと私が、高校生になったら教えてあげる」
中学生のアヤノが、少し大人びた声で答えた。

______結局、高校生になってもアヤノはその質問に答えず、俺とアヤノは、大学生となり、そして恋人同士になった。
やがて就職し、アヤノと結婚した俺は、また同じ質問をした。

「なんでアヤノはいつもマフラーをしてるんだ?もう結婚したんだから教えてくれよ」

するとアヤノは、コクリと小さく頷いた。

「そうね、もう教えてあげてもいいかな______。」

アヤノはスルリとマフラーをとる。
すると、その下にあるはずの首がなく、アヤノの顔が、ゴロリと地面にころがった。

「______ッ!?」

俺が驚きの声を発し、アヤノの手が首にせまってきた。

「う、うわああああああああああっ!!」
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