黒魔術師の少年少女は。

「もう、君も気付いているのだろう?」
「ボクら黒魔術師は永遠にこの牢から抜け出すことができないことを」
優秀、なおかつ最強と呼ばれた黒魔術師の彼女は語る。
「破壊を得意とした黒魔術師は、もうこの世界にはいらない。何故だか分かるよね?」
「……そう、正解だ。魔王がいなくなったからだ。」
彼女は指先を牢の柵に向ける。
強大な風魔法を放つ。
柵に触れる。消える。
「ならば、ボクらがこの牢の中にいる理由も分かるだろう?」
「ボクらはもう、王国にとって、ただの危険人物達でしかないんだよ。」
二人っきりの牢の中、彼女は静かに語り出した。
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黒魔術師の少年少女は。
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