妖怪王子と奇怪な日常
わたし、神代藍那(かみしろあいな)です。ごく普通の中学生です。今、わたしは神社に来ています。
実は、もう少しで学校でテストがあるんです。赤点を取りそう、ってわけじゃないけど、いちおう神様にも頼んでおこうと思って。
「カランカラ~ン」
大きな鈴をならして、お祈りしていると、
?「お前、だれだ?」
男の人の声がしたので、顔を上げたんです。そしてそこにいたのは、…きつねの耳がある、男の人でした。
藍那「…え?コスプレ?」
おもわず、声に出してしまいました。
?「コスプレだと?」
男の人にそう言われ、私はあわてて
藍那「コ、コスプレが好きって人、いますもんね!べ、べつにその人の趣味なんだからわたしがとやかく言うことじゃ…」
?「コスプレ、とはなんだ?」
藍那「…はい?」
?「だから、コスプレとはなんなんだ?」
わたしはびっくりしました。だって、このじだいにコスプレを知らない人なんて、いないと思ってたから。
藍那「じゃ、じゃあ、その耳は?」
すると男の人は耳を触りながら、
?「これか?生まれつきあるぞ。…ん?そんなわけないという顔をしているな。本当だぞ。俺は妖怪だからな。」
藍那「えぇ!?妖怪!?」
うそでしょ!?妖怪って本当にいるんだ…
妖怪「ああ。俺は、きつねの妖怪だ。まわりには妖怪王子と呼ばれている。」
藍那「え…」
妖怪にも王子とかいるんだ…
妖怪王子「あだ名だ。本当に王子というわけじゃない。」
藍那「!」
なんでわかったの!?
妖怪王子「妖怪たちは大体人間の思っていることがわかる。」
藍那「すごーい!妖怪ってただのお化けだと思ってた!
妖怪王子「…妖怪とお化けは違うぞ。」
藍那「そうなの?」
妖怪王子「…」(この人間の考えていることがわからん…)
藍那「そういえば、なんでここにいるの?」
妖怪王子「ここは俺の家だ。というか、お前、なんで俺が見えるんだ?」
藍那「…え?」
妖怪王子「普通の人間に俺たちは見えない。なんで見えるんだ?」
藍那「…うそでしょっ!?わたし霊能力ないよ!?」
私ってすごいかも!
妖怪王子「…妖怪と霊も違うぞ。ちなみに、妖怪は人をおどかすイメージだが、おどかすのは俺たちが見える人だけだ。俺たちはお前のような人間しか狙わない」
藍那「えっ…それってなんかやだ…」
なんで見えるようになっちゃったんだろう。
…やっぱり、見えないほうがいいかも。
終わり
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