もしも願いがかなうなら、この私を死なせてください。~第5話~

誠吾と住むようになってから何日か経ったある日、仕事から家に帰った時のことだった。
「ただいま~」
「おかえりー(誠吾の声)あ~、おかえりなさぁい(女の子の声)」
私はびっくりした。だって、知らない女の子がいるから。でもどうやら、この子も幽霊のようだ。
「え、っと…どちらさまで?」
誠吾がいるので幽霊には驚かないが、だれなのだろう、このこは。
「あ~わたし?わたしはぁ、まみっていうの~❤」
ぶりっ子っぽい口調で話すまみは、たまたまこの家に入ってみたら誠吾がいて、誠吾と仲良くなったので、ここに住むことを(勝手に)決めたそうだ。
まあでも、まみはわるいこではなさそうだし、別にいいかと思った。これが悪夢の始まりだとは知らずに。
次の日、朝起きてみると、いろいろなものがいた。
よくわからないだろうが、本当にそうなのだ。
いろいろ、というのは、虫などではなく、いろいろな幽霊が、という意味だ。
猫の幽霊、犬の幽霊などもいれば、…雑草の幽霊らしいものもいる。
もともと死ぬわけがないもの(小石など)の幽霊がたくさんいる。
「なんでこんなにいるの!?」
そう私が叫んだ時、誠吾の叫び声が聞こえた。
「うわあああああああ!」
どうしたのだろうとはしっていくと、そこに、大きな幽霊がいた。どうやら、誠吾はその幽霊に驚いたらしい。もちろん、わたしも驚いた。…ゾウの幽霊だ。なんでこんなのがいるんだと周りを見て見た。
すると、壁に黒い穴があった。そしてそこから、いろいろな幽霊が家に入ってくる。
誠吾によると、昨日私が寝た後、まみが壁にこの穴を作っていたそうだ。何をしているのか聞くと、
「生きている人間なんかいなくなればいいんだ。」
ずっとそうつぶやいていたそうだ。そして、しばらくして、まみは穴に入っていった。自分も行こうかと思ったそうだが、
何が起こるかわからないので残っていたそうだ。
私は怖くなって、誠吾と家を飛び出した。何が起こっているのかいまだによくわからない。
ただひとつわかったこと。それは、私の住んでいる家が、霊界とつながってしまった。
そして、そこからいろいろな幽霊が人間界に来てしまった、ということだ。
…これからどうしよう。

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終わり

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