もしも願いがかなうなら、この私を死なせてください。~第2話~

なんで自殺したのか、誰もわからなかった。
クラスでいじめられていたわけでもないし、部活でもない。だから、だれもわからなかった。
でも、その理由がわかった。私だ。
誠吾は、昔私が言った言葉を、ずっと気にかけていたのだ。
私は小さいころ、誠吾とケンカをした。そのとき、こういってしまったのだ。
「誠吾がいなければこんなにいやな気分にならなかったのに。」
…そして
「誠吾なんかいなくなっちゃえばいいのに。」
このときは、つい言ってしまったことだった。本心なんかじゃなかった。
でも、わたしは昔から正直な子だった。嘘はついたことがない。
だからだ。誠吾は、あれが私の本心だと思っていたのだ。
そして、この間も言ってしまった。私が好きだった人に告白した時、私はこういわれた。
「おまえ、高坂とつき合ってんだろ?二股する彼女とかありえないから。」
そういわれて、私が最初に思ったこと。それは、
「誠吾がいなければ、成功したかもしれないのに。」
私は誠吾に言った。
「あんたがいなければうまくいったのに!ぜんぶあんたのせいよ、誠吾なんか死ねばいいんだ!」
あの時は言い過ぎた。そう思って、次の日にあやまった。仲直りはしてた。
でも、誠吾の部屋から遺書がみつかった。その中に、
「凛がああいったんだ。俺は死んだほうがいいんだ。だから、死ぬだけ。凛を責めないでくれ」
そう書いてあった。
その遺書が見つかった日から、わたしの人生が変わった。
周りの人からは、わたしが誠吾を殺したかのように言われ、誹謗中傷にあった。
でも、特に何も思わなかった。だって、わたしのせいじゃないから。ずっと、そう思い続けた。
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終わり

もしも願いがかなうなら、この私を死なせてください。~第2話~
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