もしも願いがかなうなら、この私を死なせてください。~第1話~
あの日、彼は自殺した。私のせいで。あの日、彼にあっていれば…
私、相川凛には、一人の幼馴染がいた。その人の名前は高坂誠吾。誠吾とは、生まれてからずっと腐れ縁だった。
親同士が幼馴染で仲が良かったため、しょっちゅうあっていた。
家も近くで、幼稚園も小学校も中学校も一緒だった。だから、これからも一緒だと思ってた。あの日までは。
その日は、部活があって誠吾と下校時間がずれた。だから、先に家に帰っていた。
しばらくして、誠吾から電話がきた。まだ部活の時間のはずだった。不審に思いながらも、電話に出た。
「…もしもし?」
「凛か?誠吾だ。…いまから、凛の家に行っていいか?」
何言ってるんだと思った。
「部活中でしょ?怒られるでしょ。」
「いいんだ。たのむよ、いいだろ?」
そして私は、ああいってしまった。
「ダメに決まってるでしょ。まじめにやりなさいよ。」
そういって、電話を切った。
今思うと、なんであの時、いいよ、といわなかったのか。なんで、電話を切ってしまったのか。
今さらだとは思ってるけど、後悔している。
…そして、その日から誠吾の声を聴くことはなくなった。私との電話の後、誠吾は学校の屋上から飛び降りたらしい。
私のせいだ。そう思った。私が、止められたかもしれないのに…
終わり
もしも願いがかなうなら、この私を死なせてください。~第1話~
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