酒場の外で、グラムスとヴァルツが話をしている
グラムス「・・・父を殺したのはあんただな?」
ヴァルツ「いきなり口調が変わったな・・・ まぁ、色々聞きたいことは俺にもあるが・・・」
グラムス「話をずらすな こっちは真剣なんだ」
ヴァルツ「・・・ニコラス・ゼバン お前の父であり、俺が所属していた『十三師団』の一人」
グラムス「『十三師団壊滅事件』は覚えていますよ あなた方が祖龍に挑み、敗れた事件・・・」
ヴァルツ「・・・・・・・」
グラムス「・・・もう一度聞こう 殺したのか?」
ヴァルツ「・・・違う 俺にはそんな趣味はない」
グラムス「・・・証拠は?」
ヴァルツ「・・・今はない」
グラムス「ハハッ 笑わせるな お前は確定されたんだ 父を殺したんだと」
ヴァルツ「何故、俺だと限定するんだ? 他にも考えられないのか?」
グラムス「簡単だ 祖龍に挑み、唯一生き残ったのがお前だった おかしくないか? 挑んだら二度と生きて帰って来れないといわれたモンスターなのに、生き残りがいるなんて・・・」
ヴァルツ「ニコラスは、俺を突き飛ばした それで犠牲になったんだ」
グラムス「はぁ!? だったらお前は、逆に突き飛ばさなかったのかよ!? ハッハッハッハ! 仲間を大切に思うヴァルツ=シュタイナーは、いざとなったら命が惜しくて仲間を見捨てるのか!?」
ヴァルツ「・・・・・・・」
グラムス「・・・なんとか言えやコラァァァァァ!」
ヴァルツ「俺は、当時は無力だった リーダーになるのはニコラスが相応しい筈だった 笑っちまうよな・・・ 仲間がやられていくのを見て、足が震えた」
グラムス「ああ、その通りだ もしそうじゃなかったら、親父は死ななかっただろうになぁ!」
ヴァルツ「無力だった・・・ 錆びた剣のように・・・ だから決めたんだ もう、こんな事が起きない為にも全てを守ると・・・」
グラムス「ハッ! なにも出来ねえよ、お前は 守れない あの女の子だって守れない」
ヴァルツ「・・・おいっ!」
何か言おうとしたとき、荷物が落ちる音がした
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