雨上がりvol.3




木島「ちょっと待てぇ!お前今それ何入れた!?正直に言え、何入れた!?」
佐倉「なンだよ、砂糖だよ、sugar、sugar」
木島「バカっ、チャーハンに砂糖入れる中3がどこにいんだよ!」

……なんでこんなことになっているかと言うと、だ。

全ての元凶はやはり一だった。
一の家についたはいいが、両親が留守にしてるという理由で男二人で夕食を作ることになったのだ。
もともと僕も家庭科はあまり得意じゃないけれど、最低限、本当に最低限のことは知っている。
ていうか、普通に考えれば、わかる。

なのにこいつときたら…

佐倉「だってよ、さっき味見したら歩がしょっぱいっつうから。俺は悪かねっつの(`゜3゜)」
木島「お前の思考回路と味覚は一体どうなってんだ!?ここで全部きっちり説明しろ!」
佐倉「至って普通ですけどぉ?歩こそ勉強のしすぎで脳がオーバーヒートしてんじゃねーの?(笑)」
木島「してない!絶対にしてない!」
佐倉「っていうか、早くしねーと焦げるぞ、チャーハン(笑)」
木島「はっ…゜゜(Д)……早く言えぇ!」

そんなドタバタした夕食作りだったが、後片付けも全て終わらせるともう8時を回っていた。
なのにそこまで疲れていないから不思議だ。

佐倉「よしっ。それじゃ、いただきまーす」
木島「お疲れ、いただきまーす」

少し手をつけるのが恐ろしい気持ちもあり、僕は一が食べてから口をつけた。

佐倉「おおっ、未知の味!ミシュラン七つ星ですなこりゃ!!」
木島「………(´Д`)」
佐倉「イケると思えばイケるし、イケないと思えばイケない味だな、うん」
木島「………(´Д`)」
佐倉「なんだよ、どしたんだよぉ。さっきからおんなじ顔して。口がなくなったの?」
木島「(´゜A゜)……」
佐倉「なんかしゃべれっつの(笑)」

やっぱ一の味覚はおかしい、うん…。
今度は僕一人で作ろうそうしよう。
目の前でチャーハンっていうからしきものをぱくついている一をチラッと見てから、僕は食べられなくもないその物体を食べることにした。







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