愛をください。3
「神って」
「神様って」
少年と少女が同時に言った。
どうぞ、と少年は少女に言った。
それじゃあ、と少女は言って話し始めた。
「神様って、本当不公平だわ。」
「なんで?」
「だって、欲しい人にはくれないのに、
いらない人にはわたすじゃない」
「何を?」
「そりゃ、いろいろよ。
才能とか、人間関係とか、
俗物的だけど、本当に何か、お金とか、物とか。」
「・・・そっか。」
しばらくの沈黙。
少女が、少年に、どうぞ、と促した。
わかった、と少年は言って語り始めた。
「僕は、神はとても公平だとおもうよ。」
「なぜ?」
「だって、欲しい人には渡さなくて、
いらないひとにはくれるじゃないか。」
「・・・・」
「ほら、みんな等しく不幸だ。」
終わり
愛をください。3
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