僕たちはもう１つの世界で生きていた Ⅰ
西暦2037年、赤字国債大国日本は経済破綻した。
過去に類を見ない不景気に国際機関は無力とかし、月を含めた世界各地で戦争が勃発、第三次世界大戦と言うにふさわしい情勢となった。
日本が属していた東アジア共同体の荒れようは特に酷く、無法地帯となった朝鮮半島では核戦争に発展、それに介入するアメリカと中国の影響もあり世界の主要都市は人類が生存するには汚染されすぎてしまった。
しかし、11年後の2048年には日本は経済を立て直し、翌々年の放射線浄化装置発明により終戦を迎えた。
原子力爆弾によって汚染された地は徐々に回復したが、完全な浄化には9年を要した。
これは2057年の現代史で習った内容だ。
この戦争がまだ真新しいことを思わせるように、今日東京平和条約が結ばれ完全な終戦を迎えようとしている。
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