大人ってずるいんだ。


子供に教育っていっていろいろ教えてるけど


実はそれって子供に自分たちの願望を押し付けてるだけであって


自分が願わないことをすれば子供をしかって


思った通りのことをすればほめて


子供が育てばその学歴や功績がそのまま大人である親のステータスになる。






ここは科学技術がの少しだけ進んだ世界。



人間は不老不死の薬の開発に成功した。


だけどその薬は副作用として、それを投与された人は生殖機能が停止する。


人口の爆発的増加を防ぐため。


だから薬は世界中に広がったけれど人がそれを使うようになるまでは時間がかかった。



だけどその副作用はあくまでも人口増加の抑制を目的として人工的に組み入れられたもので


正規品の開発からまもなくして闇市で副作用の抜けた薬がつくられた。


それはすぐに表社会にも流れ始め、


改造薬のほうが爆発的に普及し


たった1錠のそれを



服用した。





そして大人は死ななくなり、



僕たちを産んだ。



僕たちの身体にも生まれつき薬が少しだけ効いていて、


小さいうちは何とか成長できるけれど


15,6歳、少なくとも20歳になる前には完全に症状が出てくる。


だからは僕らは大人には成れない。




そうして僕らはいつまでも大人の下に居て


いつまでも大人の子供で


子ども扱いされた。





思春期の姿のまま成長が止まった僕たちは


思想だけが発達して


内側だけは大人たち以上に大人になった。


だから大人たちの気づかない


永遠にいき続けることの虚しさと、


死の尊さに気づいた。





大人たちの犯した過ちは三つ。



不老不死になったことと


子供が未熟であると思い込んでいることと


僕らをこの身体で生んだこと。




僕たちは少しずつ大人たちの過ちに気づいて


人をあるべき姿に戻そうと決意した。




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