2部構成短編 ループ 2
12月15日。
「最期の日」まで10日を切った。
しかし俺は、佑司は相も変わらずパソコンのディスプレイに表示されるデータを眺めている。
「こいつ」はクリスマスくらいに完成させられるだろう。
「こいつ」は。
「こいつ」だけは残さねば。
意味の無いであろう決意を静かに固める。
立ち上がり、寝室の戸をそっと開ける。
最近めっきりお世話になる事の無いベッドで、ミライは静かに眠っている。
開けたときと同じように、起こさぬよう静かに戸を閉め、俺は見慣れ過ぎたサイズのモニタに視線を移した。
次へ
2部構成短編 ループ 2
やめる