ギュルシスアンテ パイロット版


「生成実験を開始します。」

殺伐とした空気を、まるで弦を弾くようなピーンという音が満たす。

腹の底を揺さぶるような鼓動が、静かに実験室まで伝わってくるのを感じ、コウは汗をぬぐった。


翡翠色に透き通る半透明の結晶の平原が柔らかく発光するのを見ると、コウは少し複雑な思いを禁じ得ない。


「・・・人類がようやく到達した悪徳か・・・また酔狂なもんだな・・・。」

皮肉を隠した独り言が、思わず口を突いて出てきた。構わない、どうせ誰も聞いちゃいない。


震動が強くなってきた・・・だんだんと揺れにリズムがついて、四方からドックン、ドックンという音が這い出すように流れている。

あぁ、ついに・・・ついに産まれてしまうのだな・・・。

コウはガラスに映る自分の姿を見ながら、ため息を吐いた。

紅い髪と紅い瞳が醜く映るガラス・・・それが不意に鋭く湾曲した瞬間


翡翠色の平原に、巨大な双腕が姿を現した。

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