「お前・・・・・・一ノ瀬亜樹だよな・・・・・」

「はい。そうですね。薬師寺翼君」

なんでだ・・・・・・

なぜ、一ノ瀬が生きている・・・・・・?

あいつは確かに死んだ

俺はその葬式にいったばかりじゃないか!

「どうしたんですか? 死人でも見たような顔して」

「いや、事実お前死人じゃあ・・・・・・」

「あは♪ そうでしたね♪」

自分が死んだことを軽くみとめた

むしろうっかり忘れていた、とでも言いたげな感じで

「私は確かに死にました。分かりきっていた未来だったし覚悟はしていました。けど、やっぱり未練があったんですよ。こんな私にも。ちゃんとなんの未練もなく死んだつもりだったんですけど、やっぱり自分の気持ちにうそはつけませんね」

ツッコミどころ満載なセリフだ。

未練なく死んだつもりだった、とか。

だが、「未練」っていうのは・・・・・

「未練ってのはやっぱりつぼみのことか?」

「はい。それもありますね。でも、そっちはもう心配なさそうです立派な彼氏さんができたようで」

「なっ――――」

「冗談ですよ♪ もう、顔真っ赤にしちゃって」

「殴るぞ・・・・」

「あははっ。まぁまぁ怒らないで。そういう冗談に慣れてない初心なお方は嫌いじゃないですよ♪」

「おまえなぁ・・・・・・・・」

なんだこいつは。喧嘩を売りに来たのか?

「あらら。怖いですよ~。スマイルです。スマイルが大切ですよ」

「誰のせいでイラついていると・・・・」

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