地震が起きてから1ヵ月後
僕はその間毎日ひかりの病室に遊びに来ていた
ひかりは聞き手としても話し手としても上手で
話をしっかり聞いてとても面白い話をしてくれる
けど、僕はそろそろひかりに言わなきゃいけないことがあった
今日は僕が入院してからちょうど一ヵ月後の日だった
「そういえばひかり」
「どうしたんですか? 栄司君。何かかしこまって」
「いやね・・・・・・今日僕、退院するんだよ」
「そうなんですか? よかったじゃないですか!」
「だから・・・・・・・・そのあんまりお見舞いにいけないかもしれないんだ」
「そうなんですか・・・・・・・・。でも、栄司君がまた学校に行けるようになって私はとてもうれしいです。今日からなんですよね?」
「ひかり・・・・・・・・」
「それに、栄司君は私にはできないことをできるんです。だったら、それを楽しんできてください」
ひかりがどう思っているかわからない
けど、お見舞いにいける時間が少なくなることは僕にとってとてもいやなことでもあった
ひかりとの楽しい時間が少なくなるだなんて・・・・・・・・
でも、ひかりに心配をかけたくなかったから僕は
「うん。わかった」
そう答えた
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