「何で私が・・・。」
『ベルフェゴール』はずっと文句を垂れていた。
俺とて不思議だ。
確かに、あのお堅い月嶋に利用価値を説明して捕虜にはしてもらったが、捕虜に戦闘をさせるなんてのは前代未聞だ。
「・・・名前、何て言うんだ？」
「え？」
「いや、コードネームだけっつーのはちょっとよそよしいなぁ・・・なんて」
「そんな気遣いいらないわ。・・・まぁ、あの月嶋って奴には言っちゃったし、とりあえず教えてあげるわ。」
月嶋の拷問にかかって、何一つ喋らなかった人間はいない。
それは、「ベルフェゴール」も同じらしい。
「私は怜奈。あなたは？」
「俺は龍太ってんだ。・・・よろしくな！」
ちょっと笑顔を作ってみたが、鼻で笑われてしまった。
こういう奴とどう接すればいいのか、よくわからない。
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