「あの、戦闘始まってますよ?コクピットで寝ちゃっていいんですか、先輩?」
男は、その声で目を覚ました。

「・・・あぁん?・・・あぁ、俺は攻略戦にはお呼びじゃねぇんだ。おまえはさっさと大砲撃ってろ。」

二人の男は、上と下に分かれた、ザクタンクのコクピットにいた。


「いや、もしこっちに敵が来たらどうするのかと思って・・・。」

この男はセンダック。

ザクタンクの砲撃主。
現地の徴兵であり、心配性のある新兵である。

「大丈夫だっての。味方の砲撃ポイントとは距離もあるしな、絶好の穴場なんだよ。」

この男は、サイファ。

ザクタンクの操縦者。"褐色のハイエナ"の異名を持つ、根っからの戦車乗りだ。
ちなみに、戦争開始直後から前線で活躍する古株である。


「・・・そう・・・ですか?」

センダックは、そう言いながらトリガボタンを押す。


「そうだよ。・・・なぁに、心配すんな。」


そして、またサイファはシートに沈んだ。
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