満月が出る日は、何か奇怪なことが起こるという。
そう、今日は満月の日だ。
「ふー」
俺はゆっくりと咥えていたタバコの煙を吹かした。
そして暗く、細い路地を歩き始めた。
ｶﾂｯｶﾂｯｶﾂｯ……
俺の名前はシド、もちろん本名ではない。
何故かって?
それは俺の仕事が「殺し屋」だから。
「殺し屋」の情報は易々と漏らしてはいけないのだ。
漏らした瞬間、命が安全という保障は限りなく「0%」となる。
俺はそんな馬鹿な奴を何千、何万と見てきた。
今更そんなへまをするのは、死んでもご免だ。
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