「まぁどーでも良いか…寝よ」
まだ夏休みは3日もあるのだ。今日もまただらだら過ごしても誰も文句は言うまい。
そして彼はまどろみの中、意識を再度手放した。
8/28 12:30
「――…ぃ!」
「…んぁ…?」
「…ぉーい!起きてお兄ちゃん!」
「あぁ…?なんだ、向日葵か…どうしたんだ?
…ってか、重いからそこどいてくれ」
どこか怒った風な従妹、南 向日葵(みなみ ひまわり)が健一の上にまたがって見下ろしている。
ある事情によって暫く預かっており、今となっては従妹というよりは兄妹のような関係で、朝はよく起こしに来るのだ。
…もっと、いやもう少しその平坦な胸が大きければこれも悪くは無いんだけどなぁ、と健一は寝ぼけながら思う。
「どうしたもこうもないでしょー!瑞希ちゃん達との約束すっぽかしたでしょうが!
皆もう先に行っちゃったよ?」
「えぇっ!?マジか…すっかり忘れてたな…」
そういえば昨日そのような約束をしたような記憶がある。
途中で寝落ちしたので詳しくは覚えていなかったが。
あの優しい瑞希達の事だ、ついさっきまで待っててくれたのだろう。
罪悪感と申し訳なさで胸が一杯になりつつも、ベットから起き上がってスマホを弄る。
「うおっ…メール着信とか一杯来てる…
とりあえず早く謝って追いつかないとな…」
連絡や雑談などにいつも使っているアプリ、LINEを開き『本当すまん!寝坊した…』とコメントを打ち込む。
ここでの雑談メンバーは主に健一と健一の友人のみで構成されている。
明るく茶色に近い色の髪でロングヘアの美少女、花咲 瑞希(はなさき みずき)。
黒髪をポニーテールにまとめ、眼鏡を掛けているその瑞希の親友、四葉 黒羽(よつは くろは)。
悪友、もとい信頼できる友人の佐賀 蒼斗(さが あおと)。
この3人である。
高校から初めて会う健一に対してこの3人は特に親しく接してくれた者達であり、全員信頼している。
唯一四葉だけは何かと健一に辛辣だが、それでも本当に困ったときは何だかんだで助けてくれる。
「おっ、さっそく返事が来たか――」
:アオト@金欲しい
『今ハーレム中だから来なくていいぞお寝坊健一くんwwww』
:みずき
『ごめんね、健一くん!置いてっちゃって…私は迎えに行くか来るまで待とうって
行ったんだけど…><』
:くろは(´-ω-`)
『アンタあまりにも遅いから瑞希引っ張ってもう先に行ったわ
そのままずっと寝てなさい
アオトは死にたいようね』
「…」カチカチ
「お兄ちゃん?どうかしたの?」
:ケンイチ
『アオトのために会いに行ってやんよ♥
遺書用意して待っとけ』
:ケンイチ
『気持ちだけでも嬉しいよ、瑞希。待っててくれてありがとな!
すぐ追いつくからさ』
;ケンイチ
『四葉本当ごめん、機嫌直してくれ
追いついたらなんか奢るからさ』
【試作恋愛風ゲーム】 ver.1.0 ※未完成です s.3
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