いつからだろう。





私の手が、文字を綴ることが出来なくなったのは。







いつからだろう。





私の足が、自ら歩みを進めることができなくなったのは。








いつからだろう。





私の耳に、蝉の声が届かなくなったのは。
















そして今。







揺らぐ陽炎が、私の目の前から、消えた。









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さよなら s.2
やめる