「みーうっ!お弁当食べよう〜?」
それから数週間後、私にはたくさんの友達ができた。
それも、ぜんぶゆらのおかげなのだが。
自分の友達を一人一人紹介してくれて、お昼は毎日誘ってくれて、放課後も遊びに誘ってくれる。
そんなにゆらに、私は少しずつ心を開き始めていた。
「美雨、それだけで足りるの?まさかダイエット?」
私のお弁当には、少しの白米と、野菜しか入っていない。もちろん、色々買っている余裕なんてないからだけど、私はダイエットだと嘘をついた。
幸い、私が貧乏だということはバレておらず、もしバレたら、またいじめられてしまうんじゃないかと思うと、言い出せない。
「そう、ダイエットしてるんだー」
「だめだよ、美雨ただでさえ細いのに、骸骨になっちゃうぞー?」
ゆらはほおを膨らますと、私に自分のお弁当のおかずを分けてくれた。
こんな日々がずっと続けば、いいな、私は淡い願いを抱いて、ゆらからもらったハンバーグを頬張る。
久しぶりに食べた肉の味は身に染みて、何だか泣きそうだった。
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rainy song #4 s.2
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