一人黙々と掃除をしていると、おばあが話しかけてきた。
「学校は、楽しいかい?」
「うん、楽しいよ。友達も出来たし、部活も楽しい」
そしてまた、おばあも私も黙る。
私達、こんなんだったっけ?
昔はもっと、話せてた気がする。
おばあがかわってしまったのか、私が変わってしまったのか。
間違いなく、後者だと思う。
ギュッギュッ、と、床をふくたびに軋む音がする。
「……おばあは、さ」
「うん?」
「…………いや、なんでもない。」
――――――――おばあは、さ――――――――――――――――
続く言葉は、怖くて言えなかった。
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還る日 s.2
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