「……次は、アタシ、か」

「うん、気を付けてね。……いってらっしゃい」

 次女は頷き、長女に、「そっちも気をつけろよ」と言って橋を渡り始めた。


 そしてケモノは、次女を待っていた。


「……な」
『震えて命乞いしたって無駄ダモノ』

 まだ震えてねえよ!
 全力で叫びたくなったのを、抑える。

 でも、アタシは、食われたくない。

 妹は、どうやって渡ってきたんだろうか。

 後ろを見ると、姉ちゃんの姿。

 ……ダメだ、優しさと残酷は、一緒にいられない。

「……次にわたってくるやつ…ヒトは、アタシより美味い……ですよ。アタシなんかよりずっと賢いし、代わりにしたらどうですか?」

 次女が、なるべく丁寧を装って伝えると、ケモノは悩んだ。

『そいつが来るのを待とうか』

 そして、次女も無事、吊り橋を渡りきれた。





 




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3人の可愛い姉妹と、吊り橋の下に潜むモノ【若干閲覧注意】 s.2
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