『・・・また、あの方は愛を買っていった。』
『何回買えば、気が済むのだろう。』
『わからない。
しかし、あの方は買い続けるだろう』
『愛が、願わなければ得られないものだとおもっているから。』
『十回、また買い続けるのだろうか。』
『買い続けるだろう。
そのカタチが当たり前で、わからなくなるまで。』
『そして、また新しくなり、』
『同じことを繰り返す。』
『もっと良いものを買えば良いのに。』
『力とか。』
『知識とか。』
『名声とか。』
『富とか。』
『そこから生まれるのも、愛なのに。』
『愛は、そこら辺に落ちているものなのに。』
『気づかなければ、ただのうっとおしいゴミなんだ。』
『私たちの与える愛は本物だけど、』
『自分でおもっている愛は、・・・本当に愛なのかい?』
いらっしゃいませ。
「いつものを頼む。」
かしこまりました。
愛を、ください。
終わり
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