ものすごい衝撃と痛みがラリーを襲った。

左頬に激突したのは、バニヤの鉄拳。
「やってくれたなぁ!?テメーがしでかしたことがどんなに重いことか分かるか?」

分かっている。俺は、自分が殴られることを代償に仲間を守れたんだ、このぐらいなら軽いことさ。

俺はこの戦艦、クラップ3が輸送中だったトライデントガンダムを使用し、敵のしんがりを務めるモビルスーツを撃退した。
しかし、ガンダムと言えばワンオフ機(つまりコスト外視の高性能機)を象徴する気体である。傷をつけては輸送していたバニヤに責任が来るのだ。

「…まぁ、やってしまったことはしょうがない。責任を持って、お前がガンダムを使え。もうリゼルの関節スペアもないしな。」

バニヤは、当てつけがましい咳をして、ブリッジを出て行った。

「良かったな、ガンダムは晴れてお前のものだぞ。」
皮肉を言うジョン。

「すまない、借りを作っちまったな。」

「返せよ。」

「勿論返すさ。この借りは必ずな。」

ウェンは、うつむいたまま、ブリッジを後にして行った。
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