「ああいやだ。なんで今日は森に入る人が多いのかしら?」
彼女の剣は真っ赤に染まっていた。
なぜなら、
「もう、人を切るとうまく切れなくなるのに・・・・」
“赤の染料”を手に入れた後だから・・・・。
ズルズル、と音をさせながら彼女は森の道を、何かを引きずりながらあるいていく。
通った後には真っ赤な道が敷かれていく。
ポロリ。
引きずっていた“元”人間から、何かが落ちる。
それは、黒い紙だった。
「・・・・なにこれ。」
『見たいやつだけ寄っといで
森の奥でやってるよ
楽しいサーカスをやってるよ
見たいやつだけ寄っといで』
と、書かれている。
「ああ、これのせいで人が多いのね」
サーカスを見に来た人だ。
けれど、そのおかげでしばらくは染料にこまることはない。
彼女は、ズルズルと、引きずっていく。
夢があふれていた子供の死体・・・・。
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