えりなは夢を見ていた。あの日のこと・・・チョコレート・・・あのチョコレートを食べていたときのことだった。
その夢はまるでそのときとった動画のようだった。えりなは思った。・・・そう。あの時も思ったことだ。
(ひよちゃん・・・最近態度が冷たいような・・・)いや、もしかしたら小学校の時から変わらない、甘えん坊な私が嫌になったのかもしれない。とりあえずそういうことにしておこう。そう思ったとき、どこかから、「馬鹿みたい」と声がした。一瞬びくっとしたが
さっきああ考えたばかりだ。日和の心の声かもしれない。そこまで見て、目が覚めた。
「う・・・う・・・い、痛い・・・」足が痛い。日和と別れ、一人で帰るときに階段から真っ逆さまに落ちたとき。あの時、何故か真っ逆さまに落ちていったのに、頭ではなく、足が骨折した。不幸中の幸いとはこういう事を言うのだろうか。が、そんなこと今は
どうでもいい。
「う・・・うう・・・た、す、けて・・・」もちろん、誰かが来るなんて思ってない。今は夜の1時35分。家族どころか、まわりの家
の人も寝ていた。
次へ

チョコレート4 s.1
やめる