とある雨の日。
「お母さん、ぜんっぜん眠れないよう」
「じゃあ絵本読もうか」
「うん!お母さんが読んでくれる絵本、すっごく面白い!」
「今日はこの話の続きからねー」
そして、私は読み始めた。

「化け物を、人間は忌み嫌いました。
 化け物は、自分とは何で、どうすればいいのかわからなかったのです。
 しかし人間は、自分たちとは違うというだけで、化け物を見捨てたのです。
 化け物は、人間が自分を何故嫌うのか、解りませんでした。
 化け物は人間を嫌いになりました。
 そして、森の奥深くに逃げていきました。
 目を奪う能力を使って、一番人目に触れない場所を見つけました。」

ここまで読んで、茉莉を見た。
茉莉は、もうすやすやと寝息をたてていた___



『群青レイン』



次へ

群青レイン s.1
やめる