「おっ。あと1分。」
俺たちは約束どおり、校庭に集まっていた。
「ああ・・・。神様・・・。どうかお助けください。」
「だから、何も起こらないわよ。どうせ誰かが流したデマなんだから。」
「あと、30秒。おい、杏奈そろそろ本を手に持て。」
「オッケ~。」
「10、9、8、・・・」
裕也がカウントダウンするのを俺らは静かに息を潜めて聴いていた。
「3,2,1、」
裕也が0というのと同時に夕焼け小焼けが流れた。その瞬間、杏奈は欲望の晩餐を開いた・・・・。
――チャイムが鳴り終わった。しかし、何も起こらない。
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