「死なないさ。」

そう言い放った明日香の表情は自信に満ち満ちていた。
手の黒いエネルギー体は、刃のように鋭くなりのこぎりのような刺が現われる。

「明日香・・・お前―――――」


シンが言葉を言い終わる前に、明日香はコンクリートを蹴った。
一瞬で、明日香は嵜崎の向こう側に抜け去った。

「――――――!?」


「『10』」
ザシュッ!
「『J』」
ズシャッ!
「『Q』」
ズン!
「『K』」
ズブッ!
「『A』」
ドブシャッ!


目にもとまらぬ早業で、五段の華麗な剣技を見せつけた明日香は、手早く黒い刃を手の内に戻した。
一気に血飛沫が学院校舎の屋上を舞った。

嵜崎の身体が勢いよく崩れて、横に滑る。


「『ロイヤル・ストレイト・フラッシュ』だ。」


嵜崎の体が屋上の床に四散して、なんともお見せできない光景になっている。
吐き気がする・・・。



ボゴゥッ!!


不意に嵜崎の血や肉がまたも青白く燃え始めた。
再生が始まるのだ。


「気を付けろ・・・コイツはタダでは死なんぞ。」

「・・・なるほど、厄介だな。」

こんな状況でもどこか冷笑的な明日香。
・・・こんな性格だったかコイツは・・・。

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