今日も俺の目の前では、液晶の白い海の中で活字が躍っていた。
1ミリも狂っていない直線の柵の中で、表にまとめられた金額が次々に打ち付けられる。
「・・・終わった・・・。」
ふぅ・・・と、俺は一つ息を吐き出した。
今日も遠嶋さんに会える、それだけで俺のテンションは一気に摩天楼の屋上まで駆け上がってそのまま飛んでいきそうだが、ここは大人として抑えるべきだよね。
俺の今の率直な感想としては、アドレナリンとかなんか変なのがヴァーッ!て出てくる感じ?
我ながら幼稚な表現だとは思うけど、今の俺はそれでいい・・・よな。
ポーン
正午の合図。チャイムが鳴った。
その音に会わせて一斉にうだる声がオフィスを埋め尽くす。
でも、俺は違う。
俺は今日、ワイシャツにネクタイを付けたままで、オフィスを出た。
花の匂いがした。
そう、これが生まれて初めての恋。
小気味良いステップを踏みながら、俺はコンビニに向かう。
さて、今日は何を買おう。
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