ここは、どこだかしらんが山奥。
とにかく山奥のだだっ広い砂地。

人通りもなく、何のための敷地なのか良く分からない場所だ。

そこに、俺と竜也、一也と、卜部に松山、そしてシンが召喚された。


「卜部 朋茶です!宜しくお願いします!」

「あー、はいはい。今更改まった挨拶はいらねぇよ。」


朋茶もめでたく俺ら不良の仲間入りし、最近はよく放課後つるむようになった。



「皆、揃ったみたいですね。」

夏の真っ盛りにこんな炎天下の中、山奥で背広という結構暑苦しい格好で現れたのは、悠人さんだった。

汗一滴かいていない。バケモノかこの人。


「今日は、皆さんに”武器”の使い方をお教えするために、ここにお呼びしました。」


子供相手に敬語を使う悠人さん。
普通こっちが恐縮するもんだが・・・なんとなくこの人のは背筋を舐められるような感覚に襲われる。


「・・・”武器”・・・って・・・何ですか?」

「あー、まぁ超能力みたいなもんだといえば解るか?」

「え!?超能力使えるんですかっ!?」


松山は今まで”武器”について知らなかったからなぁ。
これで電波の仲間入りだ。良かったな、そして可哀想に。


「悠人さん、何か”武器”が何とかって前に風道に長ったらしい説明受けたが・・・俺のも使えんのか?」

前にも口がすっぱくなるほどに説明したのだが、一也はまったく理解してくれない。
ちなみに一也にした説明は松山にしたのと同じだ。


「はい、あなたはもうとっくに”武器”に目覚めています。」

「マジか!かっきー!!」

確か悠人さんは相手の脳と五感を支配する”武器”だ。
このまえ一也に持たせたときに気付いたんだな。


「では、まず”武器”を見てみますか。」
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