翌日、俺は腰を抜かすほどに驚くことになったのである。
放課後、松山と竜也と一也を従えて、父さんに言われて校門の前で待っていたところに、一台の黒いタクシーがやってきて・・・
開いた後部座席のドアから降り立った人物は、ここに居る父さんを除いた、3人全員の目が点になるほどの人物だった。
「折角の休日なのに呼びだすとは、いったいどんな用事ですか?」
「さっさと終わらせてエジプトに戻りたいんだが・・・。」
子子子子 悠人と、吉井 雄也。
知らないものはいないだろう。
存知のとおり、テレビでもよく見る有名人だ。
「うわ・・・すっげ・・・本物だよ・・・。」
一也は思わず感嘆の言葉を漏らした。
悠人さんは探偵だが、驚異の解決率と超能力じみた捜査方法で一躍時の人。
雄也さんは考古学者で、エジプトを始め、全国各地の遺跡、遺産の調査で数々の成功を収めている。
・・・俺が”武器”を知った日から怪しいとは思っていたが・・・。
「おぉ、お前の息子か。全く、親父にソックリでぶっきらぼうな顔してんなぁ。」
「まぁな。」
認めんなよ。
「そうですね・・・初めて会ったのはまだ赤ん坊のころでしたか?」
「あぁ、そういやそんなに時間が経つのか・・・俺らもう40だし。」
父さんとこの人たちの接点が見えねぇけど、随分前からの知り合いらしいな。
それにしても何で俺の周りには老けない人ばっかりなんだろう。この二人も若々しいという言葉を具現化したような姿だ。
「えぇと・・・お取り込み中の所申し訳ないんですけれど、そろそろ朋茶さんを探しに行きませんかね?」
「おっと、すまない。さらっと終わらせてしまおうか。」
竜也が父さんを促して、ようやく今日の捜索が始まった。
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